12/08/2026
𓂅新入荷『パパ・ユーア クレイジー / ウィリアム・サローヤン』
訳:伊丹十三
発行元:微花 微花 kasuka
" マリブの海辺にある父の家で、僕と父の新しい生活が始まった。
父は僕に、僕自身についての小説を書くように言った。
僕は海を、月を、太陽を、船を知ってはいるけれど、僕自身や世界をほんとうに理解するためにはどうすればいいんだろう——10歳の少年ピートは父親との時に厳しく、時にさわやかな会話を通じて、生きることの意味を学んでゆく。
名匠が息子に捧げた心あたたまる詩的小説。"
もともと、微花のお二人に出会った頃から二人が紹介していた本。という印象で、長らく古本を買って棚に挿し込んでいたところ、夏の始めにこの復刊のお知らせを受け読み始めました。目の前にひろがっている世界を素直に見つめ、受け取る、夏休みの子どもの視点に戻るような。あるいは旅から日常に帰ってきたとき、毎日の風景を新鮮に捉えられることのような。そんな読後感でした。
この度の復刊による発行元は「微花」となっています。
お二人が写真絵本『微花 1. 春』刊行記念により新潟へやってきたのは2019年でした。手元に届いたモノとしての本とあれから経過した時間から、本を通して世界を見つめながら本とともに生きることを想像します。ときに沢山の本を読むことよりも、“自分にとっての一冊”を折りに触れ繰り返し読んできたことはしるべになりますね。
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〈発行元より〉
このたび、この不朽の名作を、微花として復刊する運びとなりました。
私が初めてこの小説を手にとったのは2014年のことでしたが、その時すでに絶版となっていました。しかもその以前から、長らく多くの人々によって復刊が待ち望まれていたにもかかわらず——私もまた、そうした人々のうちにあって、長い間待っていたのです。
ではなぜ、このたび、微花として復刊する運びとなったのか。理由はいくつもあるのですが、一言でいえば、それは"本を読んだから"です。初めて手にしたときから十年余りの間、何度も繰り返し折に触れて。そうして昨年、また飽きもせず読み返していたとき、つぎの一節が目に留まったのです。
「人間は遅かれ早かれ誰だって死ぬ。そして、人間は死んでしまったらそれでおしまいだろ?だけど、人間は死んだあと、この世に何を残すか?いい本を一冊この世に残すというのは人間として最高のことなんだ」
何度も読んできたこの一節を、私はこのとき読み過ごすことができませんでした。本を繰り返し読むということは、ついにはそこに書かれてあるようにしか生きられなくなるということなのかも知れません。訳者あとがきで伊丹十三が「読むことを生きている状態」と書いたのも、あるいはそういうことなのかも知れない。作者であるウィリアム・サローヤンも、訳者である伊丹十三も、すでに故人となって久しいですが、それでもまだこの世には、彼らが残してくれた最高の本があって、長らく絶版であったにもかかわらず、偶然私のもとへ届いた。ならば人間として、これをもう一度この世に刊行しなおさねばならない。そうして、自分の死後にも亘る未来に、これを残さねばならない——そう思い立ってから、約一年にわたる制作期間を経て、ようやく皆様にこの本をお届けすることができます。
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写真絵本『微花 1./春』も再入荷しています。
Special thanks 小黒 恵太朗 | Keitaro Oguro
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